石田洋服店　Zegna  “Trofeo”　スリーピーススーツの中縫いレビュー

この記事は前回ご紹介した「石田洋服店　Zegna  “Trofeo”　スリーピーススーツを依頼」でご紹介した仮縫いの続きである中縫いについてご紹介します。

仮縫い

前回のレビューと重複すような内容ですが、中縫いと仮縫いは別物ですので比較のためです。

仮縫い時にはポケットや２つボタンにするのか３ボタンにするのかなどのでデザインが決まっていなかったため写真のようにポケットなし、前裾がちょっと古臭く感じる仕上がりになっています。

一度ハサミを入れてしまうともう戻れないので、デザインが変更になった場合に対応できるようにしています。

極端な話ですが、私がその時の気分でカジュアル感を出すために裾を大きく開いてほしいといった場合は対応が可能ですが、裾が大きく開いた状態から戻すということは難しいです。

まあ 生地が決まった時にデザインも全部伝えれば良いのですが、やはり生地だけで完成像をイメージするのは相当仕立服に慣れていないと無理ではないかと思います。

私がフルオーダーのお店で働いていた時の話ですが、フルオーダーに慣れていて毎シーズン仕立てるほど仕立て服が好きな方や慣れている方は皆さんデザインは普通です。

石田洋服店で仮縫いや中縫い、完成した服を拝見させていただくと皆さんデザインはとてもシンプルでチェンジポケットやスラントポケット、アウトポケットくらいです。

ちなみに３つボタン段返り（３つボタンのジャケットで留めるのは真ん中だけで上と下のボタンは飾り）は石田洋服店のデフォルトです。

３つボタン段返りはラペル（襟）の立体感が最も美しいといわれています。（第一ボタンのボタンホールをロールさせることで張りが生まれ、ボタンが付いている方もボタンがカサ増しになりラペルが立体的になる）

中縫い

なんとも眠そうな顔をしています...

各種デザインが決まり肩パッドも入り、裏地もついているのでほぼ完成像です。

スラックスとベストについては中縫いはないので仮縫い時に修正したサイズで再仮縫いとなります。

前回作成したエスコリアルのスーツでデザインは完成しており、その時と同じデザインです。

ジャケットにはサイズの補正など修正点はありませんが、今回は肩パットを最初に作成したsuper180sのスーツと同じものを入れてもらいます。

f肩パッドをどれくらい入れるのかは好みの問題です。

私はカーディガンのように軽い着心地よりも肩にジャケットがしっかりと乗っている感覚のほうが好みだとわかりました。

最初に仕立てたsuper180sのスーツはデザインは何も触らずにすべて石田洋服店さんに完全お任せで作成してもらいました。

その時に入れてもらった肩パッドはいかり肩が増したような感じが一昔前に流行ったスクエアショルダーに見えて「なんか古いなぁ」と思っていました。

しかしそのジャケットも着込んでいくと肩パットがなじんで沈み。さらに肩をしっかりとつかんでくれるような着心地になりました。

首から肩にかけてシワが出来ることはないし、動いても肩パッドが肩をしっかりとつかんでいるのでズレることはなく本当に体の一部のような感覚です。

その感覚がとても心地良く肩パッドを薄くしたキャメルのジャケットやエスコリアルのスーツよりも着用したときの一体感があるのです。（もちろんキャメルのジャケットやエスコリアルのスーツも着心地は最高です。）

前回よりも少しサイズが大きくなりましたがジャケットの背中はギリギリ修正は不要でした。

しかしスラックスに斜めにシワが入っているのがわかりますが、これはお尻で生地が張っていることを意味します。

ですので数ミリ（数値忘れました）出す修正をしました。

ジャケットを着用しているのでわかりませんが、お尻が大きくなっているのでスラックスは尻に食い込んでいます...

ウェストを絞っているように見えますが、実はあまり絞っていません。

アームホールを小さく設計し、脇腹のラインに沿うようにしているだけです。

ここが仕立服と既製品の大きな違いの一つです。

仕立服は注文主のアームホールをギリギリまで詰めることで腰の位置を高く見せることが出来ますが、既製品はより多くの人が着れるものでなければならずアームホールが大きく設計されています。

それでもスタイリッシュに見せるためにウェストを絞った服が多いのです。

私はもともと肩幅があり、肩甲骨が大きく広背筋が発達しているので、写真では極端にウェストを絞って見え、さらには腰の位置が高く見えると思います。

腰の位置が高く見えるので結果として足も長く見えます。

足を長く見せるためにはウェストの位置を高く見せれば良いのです。

ウェストを高く見せるのは何もジャケットのウェストを絞る必要はありません。

アームホールを小さくしてあげるだけで良いんです。

しかしそのアームホールを小さくするのは既製品では難しく（おそらく出来ると思いますが...）オーダーでないとできないことです。

しかも、最低限仮縫いをしてくれるオーダーでないと難しいです。

私はアームホールを小さくするために仕立てるたびに石田洋服店さんに相談をして２，３回の微調整してもらいほぼ限界まで小さくしてもらっています。

見た目にもあ腰の位置を高く見せることが出来るアームホールですが、腕を上にあげたり、前に出すなどの動作についてもアームホールが小さいほうが動かしやすいので、アームホールにこだわるのはおすすめです。

難点としては、小さくしすぎるとジャケットを着たり脱いだりするときが楽ではないのと、悪い仕立てだとアームホールが食い込んでしまうことがあります...

おわりに

今回のZegna  “Trofeo”では仮縫い時にサイズの修正を多く行っています。

これは私が太ったことを意味しており、この中縫いが終わった晩に最初に仕立てたsuper180sのスーツを着るとスラックスがかなりキツイ...

こんなに太ったのかと戦慄を覚えました。

実は今回仕立てることになったスーツの注文時とほぼ同時期にジムに通った筋トレを再開しました。

というのも去年の3月で通っていたエニタイムを退会していたのです。

それまでは週3回～4回の筋トレにいそしんでおり引き締まった体型をしていました。しかしコロナの影響で一度辞めることにしたのです。当時はまだ完全に未知のウィルスでしたので非常に恐ろしく罹患すれば死ぬとまで思っていました。

そんなこともあり習慣化していたジムでの筋トレを辞めており、さらに仕事でもテレワークが始まったことで確実に運動量が低下したのですが、家にいる時間は確実に増えてヒマになれば空腹感を感じることも増えそして食べる量も増えていきました。

そして知らず知らずのうちにサイズアップしていきます。

そんなある日、エスコリアルのスーツのスラックスがキツいということに気付きます。

半年前に仕立てた時には簡単に留まったボタンが今では腹筋に力を入れないと入らない...しかも太ももってこんなに張ってか？と感じるほどのサイズ感でかなり太ったことに気付かされました。

そしてあの頃の体型に戻ることを決意し筋トレを再開したのです。

現在もコロナ禍で人が多い場所は避ける必要があります。通うジムについても意識がしっかりしているところに行かなければいけません。

近くにある市が運営している格安のジムがありますが、覗いてみるとマスク着用義務なのにマスクはしない。使用した後の除菌も義務付けられているのに守らない。大声でしゃべるなどモラルの欠片すらないカオスでした。

ということでエニタイムやジョイフィット系のジムにも見学に行き家の近くにある24時間開いているジムに通うことにしました。

そこそこの金額ですが、その分は保険だと思います。

実際その金額を支払ってまで筋トレをする人達は皆さん礼儀正しく、マナーもしっかりしています。

話が逸れまくりましたが、仕立服はその時のサイズを映したものです。

もちろん極端に絞り過ぎるとちょっとサイズが変わっただけで着れなくなるのでゆとりをもって仕立ててもらっています。

それなのにサイズが小さく感じるというのは明らかに太った証拠です...

仕立服は既製服と違って生地のゆとりは多くあるらしいので、極端に太るようなことがない限りは補正出来るから安心しろと石田洋服店の店長はおっしゃいましたが、サイズ補正は私の美意識が許しません。

やはり太っているより均整の取れた体型で服を着こなしたいですし、皆さんに発信する情報主でもあるので着る服が一番カッコよく見える体型を維持しなければならないのは責任だと思います。

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ご覧いただきありがとうございました。