2022年現在における私の革靴の手入れ方法はタピールからブートブラックへと切り替えました。
タピール レーダーバルザムの使用レビューと今後について
革靴のケア商品には多くのブランドがあります。 有名どころでサフィール、日本のブートブラックなどがあります。 この1年間タピールレーダーバルザムを使用してみたのでレビューです。 結論を申しますと レーダ ...
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下記記事におけるタピールの評価は参考までにご覧下さい。
この記事はタピール レーダーフレーゲのレビュー記事となります。
以前にもタピール製品を使用したレビュー記事がありますのでご覧ください。
・タピール製品のみを使用して革靴を手入れした結果のレビュー
検証 タピール ~Tapir~ だけで革靴を手入れをした結果
2022年現在における私の革靴の手入れ方法はタピールからブートブラックへと切り替えました。 下記記事におけるタピールの評価は参考までにご覧下さい。 今回の記事では以下2つの商品を利用した ...
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・タピール レーダオイルの使い方と感想のレビュー
タピール ~Tapir~ レーダーオイルの使い方 汚れ落としと油分を補給
2022年現在における私の革靴の手入れ方法はタピールからブートブラックへと切り替えました。 下記記事におけるタピールの評価は参考までにご覧下さい。 検証 タピール ~Tapir~ だけで ...
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革靴好きの人たちの間ではレーダーオイルの使い方はプレメンテという新品の履き下ろし前に靴についているワックスを落として油分を補給するという目的で使用されることが多い人気アイテムです。
レーダーオイルを使用した後は他ブランドのデリケートクリームやワックスで手入れをされる方が多いとか。
私個人の考え方を言えばタピールを使うならすべてタピールで統一。サフィールならサフィールで統一というような使い方が良いのではないかと考えています。
各ブランドともに革靴を綺麗な状態で長持ちさたいという想いで商品開発をしているはずです。汚れ落とし→デリケートクリーム→ワックスというのはどのブランドでも同じ工程ですが、各商品に使用されている物質のレシピについては様々で各商品ごとに相性があるのではないか?と思うのです。
つまりブランドごとに発表している手入れ用品は同一ブランドで統一したほうがより良い効果を発揮するのではないかと考えます。(個人の考えです)
もちろんいろんな手入れ用品を使用したところで十分に手入れがされていなければ革靴はクラックが起きやすくなります。
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レーダーオイルは汚れ落とし、油分の補給が出来るアイテムです。
革靴の手入れで次に必要なのが水分の補給とワックスによる革の保護です。
そこでレーダーオイルと同じブランドの製品であるレーダーフレーゲで水分と油分の補給とワックスによるコーティングをします。
タピールの革靴の手入れ用品は他ブランドに比べて独特です。しかも情報が少ない...
レーダーオイルやレーダーフレーゲ、レーダバルザムなど何をどのように使用するの?違いは何?経年でどういった変化があるの?ほんとに優秀なの?など情報を本などのメディアで紹介されることはほとんどありません。情報が本当に少ない...
私はここ半年の革靴の手入れはすべてタピール製品のレーダーオイル、レーダーフレーゲ、レーダバルザムを使用しましたので使用してみた感覚をお伝えできればと思います。
迷っている方の一助になれば幸いです。
タピール製品の特徴
- レーダーオイル 古いワックスなどの汚れ落としと油分補給。月一回の手入れに使用
- レーダーフレーゲ 乳化タイプのワックス、水分と油分の補給、ワックスによる表面の保護。月一回の手入れに使用
- レーダーバルザム 水分を含まず油分とワックスでできているので油分の補給と表面の保護が期待できます。週に1回くらいの定期的な手入れに使用
こんな感じで使い分けています。
もくじ
レーダーフレーゲとは
水分と油分を含んだ乳液ワックス
デリケートクリームとワックスをセットにしたような使用感。
ほとんどすべての表革製品に使えます。
奥まで浸透する成分と、艶が出るワックスも配合されていますので、これひとつで充分なケアができます。
用途
レーダーオイルで汚れ落としをした後に水分と油分の補給とワックスによる革の保護のために使用しています。
レーダーオイルとレーダーフレーゲは成分が重複している部分があるので革製のバッグや財布などの手入れであれば月1回程度レーダーフレーゲを塗れば良いと思います。
レーダーフレーゲにもオレンジテレピンというオレンジの油が含まれています。
このオレンジテレピンは溶剤として働き、古いワックスなどを溶かしてくれます。
写真の靴は前日に汚れ落としのレーダーオイルを使用しているので古いワックスは落ちているはずですが、レーダーフレーゲを塗り込んでもなお黒く汚れています。
もしかしたら古いワックスのほかに靴に元からついている顔料も落としているのかもしれませんが、銀面が見えるほど落としません。
レーダーフレーゲはホホバオイルが革に浸透して革を柔軟にしてくれ、各種ワックス成分で艶を出してくれます。
つまり革靴ほど手入れが必要でないバッグや財布であればこのレーダーフレーゲのみでケアが完了します。
ただし革靴のように酷使される革の場合はレーダーオイルで古いワックスをしっかり落とし、油分を補給したうえでレーダフレーゲを塗る方が良いかもしれません。
特に乾燥が著しい革靴の場合はレーダーフレーゲだけでは十分に汚れを落としたうえで油分の補給が十分ではない印象でした。
以下の記事で紹介している革靴は頂き物ですが乾燥状態が深刻で柔軟性がなく一枚のガラスのようにすぐに割れてしまいそうな状態でした。
はじめはサフィールのクレム1925を使用して古いワックスを落としデリケートクリームを使用し、さらにクレム1925を塗布しましたが柔軟性はないままでした。
次にこの記事でご紹介しているレーダーフレーゲだけで手入れをしてみましたが改善することはありませんでした。
結局はレーダオイルで古いワックス落としと油分の補給をし、続いてレーダーフレーゲで水分と油分を補給してやることで革本来持つ柔軟性を取り戻して履ける状態となりました。
検証 タピール ~Tapir~ だけで革靴を手入れをした結果
2022年現在における私の革靴の手入れ方法はタピールからブートブラックへと切り替えました。 下記記事におけるタピールの評価は参考までにご覧下さい。 今回の記事では以下2つの商品を利用した ...
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私のレーダーフレーゲの使い方は月一回の徹底的な手入れに使用
レーダーオイルを使用した翌日にレーダーフレーゲを使用します。
原材料
レーダーフレーゲの原材料は以下の通りです。
ミツロウ、カルナバロウ、ホホバオイル、オレンジテレピン、 バルサムテレピンオイル、植物性ステアリン、アンモニア、水
以上の原材料を使用しています。さらにタピールでは環境に配慮したもの作りをしていることを強調するために使用している原材料の情報を公開しています。
素材名称 原産国 用途/特徴 ミツロウ ヨーロッパ 柔らかいワックスで、よく浸透し防水効果があります シュガーケーンワックス インド サトウキビの搾りかすから得られるワックスです。
ドイツの大学と持続可能社会へ向けた資源として共同研究中です。カルナバロウ 南アメリカ
ブラジル硬いワックスで、艶を出す効果があります。
ブラジルのカルナバやしの葉から採ります。ホホバオイル 北アメリカ ホホバの木の実のワックスで、油脂分が豊富でよく浸透し、
革に柔軟性をもたらします。植物性テレピンオイル 南アメリカ、
アメリカ合衆国天然の溶剤で、香りがよく、硬いワックスを溶かすのに使います。 植物性ステアリン フィリピン ココナツ油脂またはパーム油から作られます。
浸透して防水効果をもたらします。アンモニア ドイツ ワックスやテレピンを水と乳化させるのに使います。 引用元:TAPIR JAPAN
レーダーフレーゲの使い方
レーダーオイルを使用した場合は油分が革靴に浸透させたいのでレーダフレーゲを使用した手入れは翌日に行います。
一晩寝かすのが良いのかわかりませんがレーダーオイルで手入れをした当日の革は湿ったような肌触りがして油分が革に浸透しきっていない気がします。
レーダーオイル塗布の当日にレーダフレーゲを塗布してもあまり乗りが良くない気がしたので一晩寝かしてからレーダーフレーゲを塗布しています。
step
0ブラッシングでホコリをはらう
0ブラッシングでホコリをはらう
ホコリが付いた状態でレーダーフレーゲを塗布するとホコリが付着した状態でワックスを上からしてしまうことがあります。
そしてワックス成分が固まるとレーダーオイルや再度レーダーフレーゲを使用して溶剤成分でワックスを溶かさないとホコリは取れません。
必ず柔らかい馬毛のブラシで表面に付いたホコリをはらってから作業に入ります。
step
1革靴を乾拭きして革をならす
1革靴を乾拭きして革をならす
乾拭きはとても大切です。
レーダーオイルを塗布してしばらくすると表面には汚れを含んだレーダーオイルがまだ残っていることがあります。
それらを取り除いてあげてからレーダーフレーゲを塗布すると仕上がりが良くなります。
手入れの前と後に革靴全体を乾拭きするのはとても大切です。特に日中履いた革靴が役目を終えて保管するときも馬毛ブラシでホコリをはらってから乾拭きするだけで寿命が変わります。
step
2布を指に巻き付けます
2布を指に巻き付けます
レーダーフレーゲは少量ずつ塗り込むように使用します。
指先に巻き付けた布にほんの少しだけレーダーフレーゲを付けて革に塗布します。
ないとは思いますが布にたっぷりしみ込ませて使用するものではありません。
布は着古したシャツなどの端材で十分です。今回はコットンガーゼを使用しています。
step
3ビンの口にフタをするように布を巻き付けた指を置きます
3ビンの口にフタをするように布を巻き付けた指を置きます
液だれを起こさないためにもビンの口に隙間を作らないようにして下さい。
レーダーフレーゲはワックスが含まれているので付いた部分が乾くと白く固まります。
もしレーダーフレーゲが液漏れして他の革に付いて固まった場合はレーダーオイルでふき取ってください。
レーダーフレーゲがない場合は他ブランドのクレム1925などの油性乳液やステインリムーバーのように溶剤が含まれているものでふき取ってください。
step
4布にレーダーフレーゲを付けます
4布にレーダーフレーゲを付けます
レーダーフレーゲを傾けて指先に付ければ作業に移ります。
付ける量は指先でビンの口にフタをしてビンを傾けて指に付く程度の量です。(ごく少量です)
塗布するのは薄く全体に塗り込む程度です。(語彙力が及ばず申し訳ありません...)
レーダフレーゲはレーダーオイルのようにサラサラしていないので付きすぎるということはあまりないと思いますが、つけ過ぎに注意してください。
この写真を撮影したのは冬のためレーダーフレーゲ内のワックス成分は少し硬い状態です。夏など気温が高くなるとさらに緩くなりサラサラになりますのでつけ過ぎには注意して下さい。
step
5全体に塗布したら豚毛ブラシで均一に伸ばします
5全体に塗布したら豚毛ブラシで均一に伸ばします
指に取ったレーダーフレーゲを500円玉を描くように塗り込みます。
塗り込む力は肌に保湿クリームを塗るときくらいの強さです。
レーダーフレーゲを全体に塗布することは大切ですがつけ過ぎは良くありません。
というのもレーダーフレーゲは天然のワックス成分を多く含んだ乳液のためワックス成分が多く乗り過ぎると革が呼吸できなくなり乾燥させてしまうことがあるからです。
化粧を厚塗りしすぎるのと同じです。
多くつきすぎると白いワックス成分が固着してしまい、レーダーオイルのように溶剤成分がの含まれている製品でふき取らないと取れません。
step
630分くらい時間をおいたら磨き上げて艶出し
630分くらい時間をおいたら磨き上げて艶出し
step6はおまけみたいなもので艶出しを目的に磨き上げます。
時間を少しおく理由はレーダーフレーゲの溶剤成分を飛ばして磨いた時の艶感を出すためです
他ブランドのワックスを塗布する場合にも言えるのですが、ワックスには溶剤が混ざっています。
レーダフレーゲの場合はオレンジテレピンが溶剤成分です。
ワックスは通常カチカチでとても塗れる状態ではありません。そこでワックスに溶剤を混ぜて柔らかくしているのです。
そしてこの溶剤は揮発性があるため革靴にワックスを塗布してからしばらく時間をおくことで革靴に溶剤を残さない状態が作れます。
そこに磨きをかけることで艶が出るという仕組みです。
溶剤は油脂やワックスを落とす役割があるためワックスを塗布してすぐに磨き始めても溶剤がワックス成分と混ざり合ってうまく艶を出すことが出来ません。
おわりに
タピールの製品はとにかく自然由来のモノのみを使用した環境に配慮しているブランドです。
タピールの使い方や使用感などを伝えるメディアはほとんどありません。雑誌で取り上げられているのを目にしたこともありません。
それなのに靴好きや革製品が好きな人たちの間で絶賛されているのは、やはり手入れ用品として優秀だからだと思います。
実際に半年ほど使用してみた感想としては
素晴らしい
の一言に尽きます。
私は革靴を綺麗な状態で履き続けたいと思っていますが、自然な状態の革靴が好きですので鏡面磨きなどは行っていません。(めんどくさいし)
自然な艶感がお好きな方でしたらタピールのみで手入れすることを強くお勧めします。
鏡面磨きをする方にとってはレーダーフレーゲの艶感はマットだと思います。
鏡面磨きがお好きな方はサフィールのミラーグロスが良いでしょう。
靴磨き選手権というマニアックな大会では使用禁止とされるほど鏡面磨きに特化したワックスとなります。
また革製品でも艶が必要ないという製品についてはレーダーオイルがおすすめです。レーダーフレーゲは艶感が出るのが特徴で消すことはできません。
さらに高級車などのレザーシートやソファにレーダーオイルがおすすめです。レーダーフレーゲに含まれるワックス成分は滑るので座る位置がズレる可能性があり危険性をはらんでいます。
タピール製品はここ最近認知度が上がってきており日本への入荷が間に合っていません。
おそらくamazonも楽天もすべて品切れ状態となっています。
気になる方は通知をオンにしておいて入荷したら迷わず購入することをオススメします。
多分国内に入荷したらレーダーオイルとレーダフレーゲはすぐに売り切れると思います。
やはり自然に配慮して石油由来の物質を使用せずに作られる製品は手間がかかる上に他ブランドのように在庫を抱え込むほど大量生産ができないのでしょうね...
今回使用したブラシ
馬毛ブラシ ほこりをはらうブラシです。
豚毛ブラシ ワックスなどを伸ばしたる細部に塗り込むブラシです。
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