ファッション 手入れ

革靴のオススメ修理店 神戸の名店でつま先修理

 

靴の修理といえば

  • 踵の減りの修理
  • つま先の減りの修理
  • 靴底全体の交換

これらの修理が一般的だと思います。

他にもサイズがきつすぎる靴の場合はストレッチをかけて伸ばしたり、大きすぎる靴には中敷きを貼り付ける。内側に張っている革が破れたので補強するなど靴を履くうえで起こるトラブルには大体対応しています。

安価な合成皮革のビジネスシューズなどは基本的には履きつぶしなので修理をするといえば靴底が剥がれたから糊でくっつける程度だと思います。

しかし一般的に高級といわれる本格革靴は修理をして使い続けることを前提に作られている場合が多いです。

今回ご紹介する内容は私が所有している革靴 J.M. WESTON CLASSIC CAP TOE 300のつま先が減ったのでゴムを貼り付ける修理を兵庫県西宮にある名店「修理屋」に依頼をしました。

 

こちらのお店は過去に雑誌で何度も紹介されているまさに名店です。

ただし阪急電車の西宮北口駅、JR西宮駅からは微妙に遠いところです。

ここ最近は革靴への理解が広がりブームにもなったのであちこち修理屋さんがあります。

しかし修理といっても技術職ですので、修理をする人の腕にかかっている部分が多分にあるものです。

 

 

修理のお店が多すぎて選べない

ここ10年くらいの間に高級革靴がブームとなり、それに伴ってか?修理を専門とするお店が増えました。

値段も大体相場通りで、結局どこが良いの?

そう感じませんか?

 

ちなみに私もどこに修理をお願いすればよいか迷います。

私の悩み

  • 値段が高いからといって技術力があるのかというと違います。(大体は値段に比例した技術力があると思いますが...)
  • 百貨店内で請けているから間違いないかというと違います。(昔出してひどい目にあった...)
  • チェーン展開しているお店の場合は修理をする人次第です。(知人の修理した靴をみて「これが修理??」と聞きたくなるレベルの仕上げ...)

こんな経験をしてきたからこそ、修理を出すお店は選ばなければいけないと思うようになりますた。

 

いよいよどこに出してよいのわからなくなってきました。

修理と言えばユニオンワークススピカがとても有名ですが、東京のお店なので送らないといけません。

送料の分だけコストが増えるのはイヤ....

ということで比較的近くて、技術力があり、安いの3つを軸に調べた結果「修理屋」に決めました。

大阪市内にもかなり多くの修理屋さんがありますが、総じて高い...おそらく場所代が加味されているんだろうな...と思ってしまいます。

また修理時に化粧釘や半カラスのように装飾でしかないものを付け加えて高級感を出し、技術力をカバーしているお店もあります。

 

修理に出した J.M. WESTON CLASSIC CAP TOE 300の状態

今回修理を依頼したのは下の写真の靴です。

こちらのJMwestonは購入した時につま先をゴムやスチールに変えていませんでした。

仕事で大阪駅内をダッシュで駆け抜けたり酷使されています。

JMwestonは堅牢で有名のようですが、その噂に間違いはないと実感しました。

履いていたら最初に削れて目立つのはつま先と踵ですが両方ともなかなか削れません。

 

つま先とかかとの状態

申し訳ありません。

修理前のつま先の状態の写真を間違えて写真を削除してしまいました。

修理後の写真です。

写真のつま先が3層になっています。

下から修理で張り付けたゴム。中央が靴底、上がウェルトです。

写真からもわかるように、これ以上つま先にゴムなどを貼らずにそのまま履きつ続けるて削れるとウェルトも削りかねない状態でした。

ウェルトとは靴本体と靴底をつなぎ合わせるためのパーツで靴を上から見たときに外側にぐるっと一周ギザギザのついてパーツです。

そのウェルトまで削れてしまうと靴底全体の交換、いわゆるオールソール時にウェルトまで交換しないといけなくなります。

ウェルトも交換のオールソールは高いですしオールソールできる回数も減るのでウェルトまで削れる前に修理や補強をした方が良いです。

 

ちなみにロングノーズの革靴はつま先の減りが早いので注意してください。

ヒールの交換は不要

1~2mmほど削れて浮いています

一般的に革靴の修理というとかかとの交換だと思います。

しかし写真を見るとかかとはあまり削れていません。

かかとの修理をする目安はゴムが削れて2層目に入りそうになったら交換しなければなりません。

1層のみの交換と2層まで削れてしまった場合の修理では、やはり2層まで削れてしまう方が高コストです。

 

ちなみに、かかとの削れはみっともないと考える方は写真の状態であっても交換するそうです。

これは普段は車で移動、歩くのは絨毯の上というセレブな人達の考えだと思います。

一般的に通勤をしている方や頻繁に歩く方には無縁の発想に思います。

 

私見ですが、足はかかとで着地してつま先で地面を蹴ることで歩くという車輪のような動きをする特性上、かかととつま先の消耗は激しいです。

踵で地面に着地するんですから必ずかかとのゴムは削れてしまいます。そんな頻繁に交換する必要はないと思います。ただしかかとが削れているのが引いてみてもわかるようだとみっともないのは確かです。

私は貧乏性から「まだ大丈夫!!勿体ない!!」と感じるので今回は交換しませんでした。

 

修理は西宮にある名店「修理屋」に依頼

店名の一部が切れている...写真撮影のセンスの無さ!!

つま先の修理一つにも妥協しない職人技

写真ではわかりにくいのですがつま先の削れている部分の面だけを均した上にゴムを成形して貼るという方法です。

実はこの方法で修理をすると時間がかかる上に技術力が必要です。

簡単な作業で終わらせるなら削れたつま先の面をグラインダー、ヤスリなどで一気に削って平面をだし、ゴムを貼りグラインダー、ヤスリで整えるとした方がはるかに時短ができます。

しかしこの手法だと余分に削ってしまってチャネルの一部まで削ることがあります。

先ほど説明しましたが、チャネルまで削れてしまうと靴底全体の交換(オールソール)の回数が減ってしまい相対的に寿命を縮めてしまいます

修理屋さんではそうならないように今削れている部分の面だけを均してゴムを貼るという方法です。

安い工賃だからと簡単かつ早く済ませることも可能だったのに、履く人のことを考えて技術力と時間を惜しまないのは本当に素晴らしいです。

 

つま先一つの修理であっても技術力や修理に対する考え方に差は出ます。

安い修理店や技術力がない修理店、スピード重視の修理店では、先ほど説明したように削れたつま先一面をグラインダー、ヤスリなどで一気に削って面をだし、ゴムを貼りグラインダー、ヤスリで整える方法を採用しています。

理由は「簡単で速いから」です。

この手法だと余分に削ってしまってチャネルの一部まで削ることがあります。

先ほど説明しましたが、チャネルまで削れてしまうと靴底全体の交換(オールソール)の回数が減ってしまい相対的に寿命を縮めてしまいます。

簡単で速いという修理する側の理由のために革靴の寿命を縮められてはたまったもんじゃない。

それだったら諦めてチャネルを残してオールソールした方がよっぽどマシです。

 

安いお店の価格はわかりませんが、今回つま先の交換に¥1,800(税別)がかかりました。

しかしこの¥1,800(税別)という価格は個人的にはめっちゃ安かったです。

何も調べずに行った時、私の感覚では¥2500くらいかな...と考えていました。

なんでそんなに安いのか??

理由は場所もありますが、修理に対する店主の考え方が大きいです。

 

装飾性以上に合理性を重視することで低価格に

つま先はゴムを貼っただけの非常にシンプルな仕上がりです。

スチールでもなければ化粧釘も打っていません。

 

ちなみに修理屋の店主は「トゥスチールや化粧釘は不要」という考え方です。

トゥスチールは金属で錆びてしまいます。さらにトゥスチールの留め方はねじです。履き続けるとウェルトに傷がつくかもしれません。あと滑ります。しかもゴムに比べて高い。

合理性を考えたらトゥスチールは不要でしょう。好きな人は着けるくらいで良いと思います。

 

化粧釘は名前の通り完全に装飾品で合理性は皆無だし、靴底が摩耗していった先で釘がウェルトを傷つけることがあるそうです。つまり必要ないということですね。

ただし化粧釘などにこだわりがある人もいるので押し付けずに対応はしています。

この不要なものを削減することで修理にかかるコストも抑えてくださっているので、依頼する側からしてもありがたい話です。

 

相談がしやすい店主

今回初めて相談をするにあたり、webから相談ではなく店舗に直接靴を持ち込みました。

靴の修理では老舗になり、頑固な職人が出てくるのかと思いましたら、すごくフレンドリーな店主さんでした。

修理についての考え方(上記の装飾性以上に合理性を重視で紹介してます)や、靴の手入れについてなど気軽に相談が出来ました。

ちなみにWEBサイト上に「家庭の靴学 靴の修理・百科事典」という革靴の手入れや修理についてのヒントも掲載されています。

革靴の修理に携わってきた経験からとても勉強になりますので是非ご覧下さい。

 

おわりに

 

革靴の修理は正直高いです。

つま先をゴムに替えるだけ、かかとを替えるだけでもそこそこ高級なランチや食べ放題、飲み放題のような値段がします。

オールソールの値段は比較的安価な革靴が買える値段でディナーのコース料理が食べれます。

それでも修理をしてまで履く理由はなんでしょうか...??

以下私が修理をする理由です。若干気持ち悪い内容です...(自己陶酔しています)

大切に手入れをし続けエイジングした革は新品の革では表現できない艶や深みがでてきます。しかも足に馴染んでいるので履いていて楽です。

さらに長年大切に扱ってきた革靴は相棒のような存在にまで昇格します。

革靴にハマる人が多いのはこんな理由があると思います。

 

話は変わりますが...

ブログで修理を紹介しているお店もありますが、技術力があるのかは別の話...

SNSの発信が盛んでgoogleで検索したときに上位表示されるお店は流行っている。または技術力があると勘違いして選ばれる傾向があります

まったく関係ありませんから気を付けてください。

ちなみに「修理屋」はSNSなどを積極的に活用しているわけではないので、webからたどり着くのは容易ではありません。

店主があまり乗り気ではないとのことで、ちょっと損をしている気がします。

 

しかし知っている人は知っています。

私が訪ねた時にはALLDEN(オールデン)のコードバンやJohn Lobb(ジョンロブ)、Edward Green(エドワードグリーン)が修理を待っていました。

どれも丁寧に履き込まれ手入れも完璧でした。修理屋に依頼している人達は本物志向で道具を大切にしたいという気持ちが強い人が多いのかもしれません。

 

修理屋は30年という業界経験があり積み重ねた技術と経験があり、さらには履く人を第一に考えた修理をされていてまさに名店でした。

気になる方は一度WEBから相談されるか、今回の私のようにつま先の修理という比較的簡単な修理を依頼して技術力を実感されてみてはいかがでしょうか?

下記修理屋の公式サイトとブログ、地図を掲載します。

WEBサイト

家庭の靴学 靴の修理・百科事典

 

ご覧いただきありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

orin

大阪市内で働いているサラリーマンです。 スーツに関する情報を発信しています。 以前に高級フルオーダーの営業として働いた経験があります。 今もスーツが好きで日々知識を増やしオシャレにも挑戦しています。 ビジネスとしてのスーツとオシャレとしてのスーツの違いやポイントについて解説しています。

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